亡き婚約者とのコミュニケーション②

 

 

 

先日から始まったブログシリーズ

『亡き婚約者とのコミュニケーション』の②をお送りいたします。

 

 

私の婚約者が天界に旅立ったあとに経験した、

彼との不思議なコミュニケーションについて綴ります。

 

②からは、

彼が亡くなった日から順を追って、お話したいと思います。

 

 

 

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 彼が亡くなったのは、寒い季節でした。

 

IT会社に勤めていた彼は、忙しい日々を過ごしていました。

日々の帰宅は深夜、システム切り替えの時は泊まり込みなど……

プログラマやSEをなさっている方は、よくご存じの勤務スタイルだと思います。

 

もともと持久力のなかった彼は、夏頃にひいた風邪からの咳が治まりきらないまま、

冬にはインフルエンザにかかりました。

 

そして、とりあえずインフルエンザ治療薬を飲み、

そんな状態でも働けるように栄養ドリンクを多用し、

疲れ過ぎた体を眠らせるために、いつもよりも多めのアルコールを摂取していました。

 

その結果、亡くなってしまいました。

 

医学知識もわりとある彼からは考えられないような無茶な行動です。

 

しかし、何かに夢中になると寝食を忘れてノルマを達成しようとする癖は私とよく似ています。

きちんと養生しなかった彼を恨みながら、彼らしい最期だったとも思います。

 

 

 初めて亡くなった彼の顔を見たとき、

穏やかに熟睡しているような顔に驚きました。

 

疲れ過ぎていたころは、昼寝をしていても眉間にシワを寄せて眠っていました。

 

それが、気持ちよさそう顔をして眠っているのです。

まるで、深く眠り過ぎて魂が体から抜け出たように。

 

それは私や彼のご家族にとっては、ひとつの救いでした。

 

また、死亡推定時刻は深夜2時頃だったのですが、

そのころから不思議なことは始まっていました。

 

 私はもともと夜型になりやすい体質なのです。

そんなときは決まって心や魂が落ち着かないことが多い。

 

その日もそうでした。

「胸騒ぎ」というよりも「魂が騒ぐ」という具合で、

なんとも気持ち悪い夜だったのを今でも覚えています。

 

どうしても寝付けず、お手洗いに立ちました。

しばらく動けず、便座に座ったまま、ぼーっとしていました。

ようやくお手洗いを出て、ドアを閉めようとした時です。

 

 

(子どもでもいたら、一人でも生きていけるのになぁ)

 

そんな感情がふわっと浮かんできたのです。

 

何とも気持ち悪く、私は大きく首を振って、すぐにその感情を否定しました。

 

(違う違う! 彼がいてこそ、子どもがいて嬉しいんでしょ?)

 

自分にそう言い聞かせました。

 

結局、その夜は寝付けず朝7時くらいになって、

ようやく眠りだしました。

 

 そして、その2時間後、

彼のお父さんから私の携帯に「息子が亡くなった」という報せが入りました。

 

魂の騒ぎ、は虫の知らせだったんですね。

 

お手洗いのドアを閉めた瞬間に、

彼が私の隣に立った気配がしたのは、気のせいではなかったのでしょう。

 

電話を受けた私は、

驚きよりも「あぁ」という奇妙な納得の感情でした。

 

悲しみの感情に支配されて動けなくなる前に、

私はパジャマから着替え、すっぴんで髪も簡単にひっつめただけで、

彼の実家へと向かいました。

 

 

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 長くなるので、

②はこのあたりで終わりにします。

 

これから不思議なことが立て続けに起こります。

 

近いうちに、③に続きを書きます。

 

お読みいただき、ありがとうございました。