青いアゲハ蝶のカップルと、鍵穴

 

 


先日の木曜日の帰り道、

 

自宅まであと50mほどだったことです。

 

 

 

どこからともなく、黒地に青色の大きなアゲハ蝶が現れました。

 

そして、私を追い越したアゲハ蝶はふわふわとまっすぐ進んでいきます。

 

同じ方向に行くんだなぁ、と思いながら、

私も自転車を進めます。

 

そうして自宅まで着くと、

アゲハ蝶は私の家を通り過ぎ、

もう少し先のお家とマンションの間の細い隙間へと入っていきました。

 

あんなところを通るんだなぁ、と蝶が見えなくなるまで見送って、

私も自宅の門をくぐりました。

 

大きなアゲハ蝶だったなぁ、とぼんやり考えながら自転車を止め、

玄関の上の鍵を開け、下の鍵穴に鍵を差し込もうとしました。

 

(あれ? なんか変?)

 

もう夕暮れだったため、あまりよく見えません。

 

なんとなく違和感はあるものの、いつもの癖で鍵を持つ手は止まりませんでした。

 

すると、鍵穴の前で何かがふわりと広がりました。

 

それは、大きな青いアゲハ蝶でした。

 

「え! いつの間に?」

 

さすがに驚いて、今度は手が止まりました。

 

先ほどの蝶がいつの間にか戻ってきていたのでしょうか……?

 

私の声に蝶も驚いたようで、ふわりと飛び立ちます。

 

その蝶の行方を目で追っていると、

 

なんと! 門の外にもう一羽、アゲハ蝶が飛んできました。

 

先ほどマンションの隙間へ入っていった蝶が、Uターンしてきたのです。

 

そして、Uターンしてきた蝶は急ブレーキを踏むようにして止まり、

鍵穴に留まっていた蝶へと近づいてきました。

 

そして、

しばらく私の目の前で、二羽でクルクルと回ってダンスをすると、

また仲良く、どこかへ飛び立っていきました。

 

どうやら最初に出会ったアゲハ蝶は、

どこかではぐれたパートナーを探していたようです。

 

マンションの隙間へと入ったものの、

「ここにはいない」と戻ってきたのでしょうか……

 

急ブレーキを踏んだように止まった時も、

「見つけた! こんなところにいた」とでも言いたそうな行動でした。

 

蝶の生態や知能には詳しくありませんが、

まるで人間ようにラブラブでしたよ。

 

最初に出会った蝶と私は、目的地が同じだったのですねぇ。

 

なんだか運命的です。

 

蝶は、吉兆や変化の兆しとも言われます。

 

実際、今までも蝶と不思議な交流があったときは、

いつも何か人生に変化がありました。

 

今回ほど不思議な出来事は初めてですが……

 

きっと吉兆なのでしょう。

 

風水でも、蝶をカテゴリー分けできます。

 

昆虫や動物も「木・火・土・金・水」の五行に分けられるのです。

 

ちょうど今の私の運気にとって、蝶は大吉です。

 

 

 

 

また、その時は買ったばかりの「鬼灯(ほおずき)」の植木を持っていました。

 

 

そろそろお盆です。

 

蝶のカップルを、

亡き婚約者が見せてくれたのかなぁ、と嬉しく思いました。