天界流 子育て論 ~伝える~

 

 

 

 

 

親子関係の問題

 

皆さん、大なり小なりの悩みを乗り越えてきたり、

 

今まさに取り組んでいる最中だったりするのではないでしょうか?

 

なかなか難しい問題だと思います。

 

 

 

 

子どもが大人になっても、

親にとっては「私の子ども」という認識が強い。

 

子どもが一人立ちすることを嬉しく思う反面、

自分の思うように生きていないと口を出したくなる。

 

それが関係の大きな溝になってしまうことも、しばしばです。

 

だいたいの場合、

その片鱗は、幼少時代から始まっているでしょう。

 

 

 

「あれをしてはダメ」「こうしなきゃいけない」

少なからずこういうセリフを、親は子どもに言います。

 

それは、子どもが危険な遊び方をしていたり、

他人に迷惑をかけていたりするようなシーンです。

 

「(ケガをしてほしくないから)あれをしてはダメ」

 

「(人に親切にしてもらったら)こうしなきゃいけない」

 

「(あなたに似合うから・寒いから)これを着なさい」

 

 

だいたい日々の親子コミュニケーションで、カッコ内の言葉は省略されています。

 

そうすると、

子どもは「命令された」「行動をコントロールされた」という感情だけが残ります。

 

「そうしなさい」と言われた深い意味を読み取ることはできません。

 

そして、それは決して幼いからではありません。

 

成人した後の親子関係でも、

ボタンの掛け違いはよく起こるのです。

 

 

息子さんと折り合いの悪かったおばあちゃんが、

「お互いに死んでから、関係がうまくいったよ」と、話してくれたことがあります。

 

天界に行くと、生きているとき以上にコミュニケーションが重要になります。

 

時間がたっぷりあるので、心に余裕ができるというのもあるのでしょうが、

 

天界でのケンカは、ひどくむなしいからです。

 

自然と『言葉』を大切にし、確実に相手に心を伝えようと思うようです。

 

 

 

 

また、地上は天界よりもコミュニケーションが難しい場所です。

 

それなのに、

「これくらい分かってくれているだろう」という甘えが充満した土地です。

 

それは、

恋人でも夫婦でも、友達同僚、上司部下、どんな関係でもそうですが、

親子関係は身内であるがゆえに、より甘えが出る関係です。

 

 

「想っているのに、伝えない」

 

それは立派な甘えです。

 

 

たとえ幼児相手であっても、

 

「お父さん、お母さんの気持ち分かってくれてるでしょ?」と、

 

甘えているのです。

 

 

そのテレパシーのようなコミュニケーションは、

成功することもあるけれど、失敗することも多いのです。

 

 

お子さんの命名の時を思い出してください。

 

「大きくなってほしい」

「健康であってほしい」

「美しくなってほしい」

「賢くなってほしい」

「優しい人になってほしい」

 

そんな想いを『名前』という形で表現して、お子さんにプレゼントしたはずです。

 

 

そして、

だいたいの親は子どもよりも早く天界へ旅立ちます。

 

その後も、

自分の子どもが、

 

健康であるように・他人から愛されるように・食べるもの、着るものに困らないように・

 

道を踏み外さないように・幸せであるように……

 

と願います。

 

 

日々のしつけも、

そういった将来に必要な力を授けるために、行います。

 

毎日、やんちゃ過ぎるお子さんと向き合っていたら、

その根本を忘れがちになりますけどね。

 

本当は、

命名の時の愛情と、しつけの愛情は同じものだと思います。

 

 

ただ、

 

しつけの時の愛情は、命名以上に形にしないと、伝わらないのです。

 

 

お受験も一緒です。

 

(あそこは偏差値も高いし、指導者もしっかりしているわ。

 中学から入学しておけば、この子は大学まであまり苦労せずに済むかも。

 そうしたら、就職活動も有利になるかしら?

 自由な校風だし、おっとりしたこの子にも合うわよね)

 

親御さんは、先の先を読みます。

 

そうして、

「○○学院の中等部を受験しましょう」と、

突然、お子さんに提案するのです。

 

お子さんは、なぜその学校が選ばれたのか、

その経緯を知らない場合があります。

 

そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、

本当によくあることなのです。

 

まるで、

あぶり出しの契約書に、

「これは、あぶり出しです」というコメントを付けることを忘れたまま、

相手に渡すようなものです。

 

そして、その白紙に見える契約書を受け取ったお子さんは、

ハテナマークを頭に受かべたまま、承諾のサインをするのです。

 

お子さんからすると、

『親の決定は絶対』な場合もあります。

 

 

(お母さん、お父さんが喜んでるし、

 制服の可愛い学校だから、まぁ良いか)

 

重要な学校選びを、ご本人はその程度に捉えている場合もあります。

 

 

「親が喜ぶ」

 

これは幼い時の判断基準です。

 

しかし、それはいずれ卒業しなければいけない『物差し』です。

 

そうしないと、自分で決められない人になったり、

 

上手く物事が進まないと、親を恨むようになってしまいます。

 

 

そこで、

「お父さん、お母さんはこう思うんだけど、

 ○○ちゃんはどう思う?」と、

親の考えを伝えて、お子さんにも『考えて選ぶ力』を分けてあげるのです。

 

 

そうすることで、

自分を尊重してもらったという感情が育っていくのです。

 

それは、どんな高価なプレゼントよりも上等なものです。

 

受験校の合格の可能性などを鑑定していると、

学力や運が足りないというよりも、

「お子さんが乗り気じゃない」という情報が読み取れる時もあります。

 

お子さんが納得して受験に臨むことは、

偏差値を10上げることよりも、重要です。

合格・不合格にも大きく影響します。

 

 

 

このような親子問題は、現代社会だから蔓延しているわけではありません。

 

戦後すぐ頃のお生まれで、ご両親もとっくに亡くなっているのに、

まだ、親を許せていない部分がある。

親子関係で負った、大きな心の傷がまだふさがっていない。

 

そんなことはよくあることです。

 

反対に、

何十年抱えていた傷が、

ひとつの謝罪や説明によって、きれいに治ってしまうことだってあるのです。

 

往々にして、肉体の傷よりも、心の傷のほうが厄介です。

 

しかし、

方法によっては、肉体の傷よりも早く治る場合もあることを覚えておいてください。

 

 

大切な親子関係

 

あなたは、どんなコミュニケーションを望みますか?