「スピリチュアル」は悪? ①

 

 

世間は「スピリチュアル」な話題でいっぱいですね。

 

スピリチュアルなセラピストやカウンセラーになりたての方も多いでしょう。

 

 

 

この文章を書いている私も「スピリチュアルカウンセラー」です。

 

 

 

「スピリチュアルはすごい!」と流行る一方で、

 

「スピリチュアルは危険!」と警鐘を鳴らす方も多くいらっしゃいます。

 

 

 

その背景には、

 

「スピリチュアル=成功の法則」と捉えられてしまう部分が、

 

多くを占めているのではないかと思います。

 

 

 

スピリチュアルを「成功の法則」と考えても間違いではないと思いますが、

 

その点だけしか見ないと、世界は大きく歪むでしょう。

 

 

 

そもそも「スピリチュアル」って何でしょう?

 

 

私は、古代より生活に深く根付いたものだと思っています。

 

決して、ぽっと出のアヤシイものではないと。

 

 

 

「平成のパワースポットブーム」が来たので、

 

神社仏閣にお参りする機会はぐっと増えたでしょう。

 

 

しかし神社仏閣は、最近に造られたものではなく、

 

古より大事に受け継がれたものです。

 

当時の貴族や武将が、頼っていたことからも、

 

神や不思議な存在に敬意を払う習慣があったことが分かります。

 

 

 

皆さんも、

 

「魂が!」「スピリチュアルが!」とこんなに叫ばれる前から、

 

お宮参り、七五三、受験や就職……など、節目節目でお参りしていたはずです。

 

もしかしたら親に手を引かれ、「面倒くさい」と思いながら……

 

 

実際、神楽殿で受付をしていた頃、

 

ふくれっ面や、待ちきれなくて泣いてしまうお子さんをよく見かけました。

 

子どもはつまらなくて、大人は必死なんですよね(^^)

 

(スピリチュアルって、そんな存在でもあるかもしれませんね)

 

 

「魂」や「神」も同じです。

 

信じていないなら、昔からの風習の、お墓や法要なんて必要ないし、

 

元旦も、初詣なんてしないで、こたつでゆっくりしていれば良いと思うのです。

 

 

法要の時などにお供え物をして、

 

「おじいちゃん、喜んでるね」と素直に感じられる人や、

 

厄年に、前厄・本厄・後厄ときちんと神社でお祓いを受ける人が、

 

「スピリチュアルは信じられない」と発言するのを聞くと、

 

不思議な気持ちでいっぱいになります。

 

 

「それもスピリチュアルな分野ですよ?」と思わずツッコミたくなります。

 

 

きっと、

 

「これさえすれば幸せに!」そんなイメージを付けた商品が溢れる中で、

 

「スピリチュアル」の扱われ方が変わってしまったのでしょうね。

 

 

 

「spiritual」を辞書で調べると、

 

「霊魂の、霊の」の次に、

「精神の、精神的な」と続きます。

 

 

実は大学の講義でも、「スピリチュアル」という単語を聞くことがあります。

 

それは、決してカルト的な講義ではありません。

 

 

主に、「生命倫理」や「道徳」などを含めた「医学」や「心理学」の授業です。

 

 

「生命倫理」の授業では、「死生観」や「ターミナルケア(終末医療)」を学ぶことが多くあります。

 

「ターミナル」つまり、この世から旅立つ港ですね。

 

 

これらの分野を学ばれたり、研究なさっている方は、

 

「エリザベス キューブラー・ロス」の名前もご存じだと思います。

 

 

「初めて聞くわ」という方も、

 

文献などもたくさんありますので、興味があれば調べてみてくださいね。

 

ネット書店で検索しても、たくさんの書籍が出てきます。

 

 

「医学」「心理学」をベースに、

 

「生きるって? 死ぬって?」「魂はどこに行くの?」

 

「子どもを亡くしたらどうしたら良い?」

 

そんな途方もない「霊的な、精神的な、魂の」分野の迷い、悩みについての、

 

学術的な考えが記されています。

 

そして、 

 

これらの考えは、主に「ホスピス(終末医療センター)」などで活かされています。

 

 

ホスピスでは、仏教や神道、キリスト教、その他の宗教に属していても、

 

また無神論者であっても、

 

穏やかな最期を迎えるためのお手伝いをしてくれます。

 

 

それは決して、「神」や「天国」の押し売りではありません。

 

死生観は、一人一人違って当然です。

 

だから、その人の考え方に合う、その人が癒される話を病院が提供してくれます。

 

 

でも、向かう方向は同じです。

 

「死ぬことは怖いことではないですよ」「つらくないですよ」

 

「病気があなたの存在を消すことはありません」

 

穏やかに、恐れず、安心して、その時を待てるように……

 

 

もちろん、1年でも半年でも、死期を遅らせることができたら良いのかもしれません。

 

でも、来るべき時が来たのであれば、

 

「幸せに」「穏やかに」その時を迎えたくありませんか?

 

 

私の中の「スピリチュアル」はそんな役割を担うものでもあります。

 

 

 

WHO(世界保健機構)が、「健康の定義(肉体、精神的、社会的)」に、

 

「スピリチュアルな健康」を含めてから、ずいぶん年月が経ちました。

 

 

信憑性のある論文が書ける立場の、

 

大学教授や医師が「正しいスピリチュアル」についての本を書いたり、

 

ゼミを作ってくださるようになったのは、とても嬉しいことです。

 

当時、隣のゼミから「胡散臭がられている」なんて、苦笑いもなさっていましたが(^-^;

 

 

「スピリチュアル」と聞いて、

 

「前世やオーラが見えるんでしょ?」で留まらずに、

 

ぜひ、その先を見ていただきたいと思います。

 

 

※長くなりましたので、②に続きます。